団体インタビュー

英国で、異なる実践の輪郭にふれる

2026年2月〜3月に、英国でインクルーシブダンスを実践する団体への訪問、インタビュー、見学を実施しました。
このセクションでは、個別インタビューを行った7団体について、それぞれの実践の輪郭を紹介します。
ここに並ぶのは、同じ言葉で括られながらも、成り立ちも、支えの構造も、時間の流れも異なる実践です。
作品をつくる場であると同時に、継続的な拠点であり、育成の経路であり、家族や地域との関係、組織の再編が生まれる場所でもあります。
まずは、それぞれの輪郭から見ていきます。


■ 7団体の輪郭

AMICI Dance Theatre Company

1980年創設の、英国でも草分け的なインクルーシブ・ダンスシアター。

Lyric Hammersmith Theatre を拠点とするレジデント・カンパニーとして、Turtle Key Arts の制作支援を受けながら、長い時間をかけて活動を続けてきた。

インタビューでは、創設者 Wolfgang Stange の死後、何を守り、何を更新していくのかという、移行期の問いが語られている。

BLINK Dance Theatre

自前の拠点を持ち、毎週戻ってこられるホームベースのような場を育てている団体。

会議、食事、日常のやりとり、創作が切り分けられずにつながっており、アクセシビリティは作品づくりだけでなく、働き方や集まり方そのものに組み込まれている。

インタビューからは、創作以前に、場への入り方そのものが丁寧に設計されていることが見えてくる。

Stopgap Dance Company

長期雇用と継続的なカンパニークラスを土台に、独自の身体語彙とカンパニー文化を育ててきた団体。

作品制作だけでなく、若者の育成導線やアクセスの実装まで含めて、インクルーシブな実践を長く受け渡す仕組みを築いている。

インタビューでは、その文化が日々の創作や組織運営の中でどのように保たれているのかが語られている。

DanceSyndrome

毎週の継続プログラムを土台に、コミュニティダンス、アーティスト育成、ダンスリーダー育成、創作プロジェクトをつないでいる団体。

一人ひとりを知ること、家族や支援ネットワークも含めて関係を育てることが、活動全体の基盤になっている。

インタビューでは、参加の先にある役割や進路を、長い時間をかけてどう育てているのかが見えてくる。

icandance

ダンス/ムーブメント・サイコセラピーの考え方を基盤に、1対1の関係から始まる実践を続けているコミュニティ。

子どもや若者がまず自分を感じ、他者と関係を結び、少しずつコミュニティへひらいていくための場をつくっている。

インタビューでは、感情的な安全性や家族との関係、ショーを祝福の場として捉える考え方が語られている。

Magpie Dance

ダンサー自身の声や生きてきた経験を、社会に向けて届く作品へと立ち上げていく団体。

リサーチ、対話、即興、振付を通して、声になりにくい経験を作品化していくプロセスが大きな特徴になっている。

インタビューからは、表現と、安全や尊厳を守るための実践が切り離されずに支え合っていることが見えてくる。

Candoco Dance Company

35年の歴史をもつインクルーシブ・ダンスカンパニーでありながら、いま自分たちの役割そのものを問い直している団体。

差異がダンスの美学を更新するという原点を保ちながら、分散型の意思決定や、障がいのある振付家・リーダーを支える組織へと再編を進めている。

インタビューでは、老舗カンパニーが次の時代に向けて何を継承し、何を組み替えようとしているのかが語られている。


■ どこから読む?

各ページは逐語録ではなく、インタビューと見学をもとに、実践の構造や論点が見えるよう再構成した読み物です。
気になる団体からでも、複数のページを行き来しながらでも、自由に読み進めていただけます。


▶︎作品制作の方法に関心がある方へ

Stopgap Dance Company / AMICI Dance Theatre Company / Candoco Dance Company

▶︎場づくりやコミュニケーションの設計に関心がある方へ

BLINK Dance Theatre / icandance

▶︎育成や役割の移行に関心がある方へ

DanceSyndrome

▶︎当事者の声や安全のあり方に関心がある方へ

Magpie Dance

▶︎長い歴史をもつ実践の継承に関心がある方へ

AMICI Dance Theatre Company